悲愴
2016年10月11日 (火) | 編集 |
わたしは、幼稚園から高校まで個人の先生に
(趣味として)ピアノを習っていました。

今はポップスやアニメソングの曲集も
いろいろ出ていますが、昔ですから
ひたすらクラシック曲を弾いていました。

レッスンは、何週間かかけて練習して、最後に
暗譜をして1曲クリア、という流れでした。
(何曲か並行して練習します)

つまり楽譜を見ずに最初から最後まで
通して弾けたら合格、ということですね。

そうして暗譜した曲も
しばらく弾かないと残念ながら忘れてしまいます。

忘れないためには、毎日でなくとも
ちょくちょく弾き続ける必要があります。

そんなわけで、10年以上習っていましたが、
ピアノのお稽古をやめてもう20年以上経つ今、
暗譜できる曲はそれほど多くありません。

 pathetique10.jpg

その中のひとつが、ベートーベンの
「悲愴」というソナタの2楽章。
ピアノ曲の中で、最も好きな曲です(^^)

 flatSan05.jpg(再掲)

ぜんぶで3楽章から成る曲ですが、
たぶん2楽章が一番有名。
以前 Eテレの「クインテット」でも2楽章が
「悲愴」として演奏されていました。
ゆったりとした、とてもきれいなメロディの曲ですよね。

 pathetique02.jpg

この間「らららクラシック」を見ていたら、
「威風堂々」で有名なエルガーも
この悲愴の2楽章が好きだったと言っていました。

「謎」という変奏曲の第9変奏「ニムロッド」が
悲愴2楽章のメロディを下敷きにして作られているんですね。
それはピアノ曲ではなく管弦楽の曲ですが、
とてもとても美しい曲でした。

エルガーの祖国イギリスでは現在、このニムロッドは
戦没者の追悼など、慰霊を目的とした式典に
欠かせない曲となっているそうです。

わたしも折々にこの曲を弾きながら、
知らず知らず癒されていたのかもしれませんね。

   *

ところで先日ふと、1楽章と3楽章はどんなだったかな?
と思い、楽譜を出してさらって弾いてみました。

 pathetique01.jpg

ああ、こんなだったこんなだった、と思い出しました。
1楽章と3楽章はどちらもテンポの速い
「ベートーベン」といって想像するイメージどおりの
情熱的で激しいモチーフの曲でした。

 pathetique03.jpg

3楽章の最後もめちゃ盛り上がって終わってます。
フォルティッシシモくらいの気分で!って
先生が書きこんでくれてます。
(ここまでくると手がだいぶ疲れているので、
実際ここを鋭く叩き込むのは簡単じゃないですが)

 pathetique04.jpg

1楽章の最後の疾走感がたまらない。
聴いていても心地よいかもしれませんが、
弾いていてこんな気持ちの良い終わり方もないかも。

あとさらに、これはベートーベンの管轄外の
メタな視点からの話になりますが、
「ページがめくりやすい」。

 pathetique05.jpg

ここ、ちょうど左手がお休みになるタイミングで
ページが切り替わりますでしょ。
右手で弾いている間に、左手でサッ!と
ページをめくることができるのです。

 pathetique06.jpg

ここも。

 pathetique07.jpg

ここも。

偶然全てがそうなることは考えにくいので、
ちゃんと譜めくりのことを念頭に置いて、ページに
小節を配置してくれていることになります。

譜めくりのタイミングで曲が途切れると
気持ちが悪いんですよね。
これは本当に嬉しい気遣い。

この楽譜を編纂した方のお手柄ですね。
(奥付を見たら、わたしが生まれる前に編まれた楽譜でした)
気持ちよく弾けるからこそ、
よりこの曲が好きになったのかもしれません。

そして、激しい曲なのですが
途中でふと、とても美しい旋律が挟まれます。

 pathetique08.jpg

3楽章のこの部分なんか、
うっかりすると涙が出そうなくらいリリカルです。

これだけでバラードとかセレナードとか
作れそうなフレーズなのに、
惜しげもなくソナタにさらっとつっこんでるのが
すごく太っ腹に感じます。

これが違和感なく激しいモチーフにつながって
盛り上がって終わるのもすごい。

・・・とここまで考えて気づきましたが、
「悲愴」全体もそうじゃないですか?

情熱的なモチーフでいきなりはじまって、
2楽章に夢のように美しいメロディが流れて、
また3楽章で盛り上がって終わる・・・

大きく見ても同じ構造になっているなんて!
ベートーベン天才だな!!!

ピアノ長く習っていても
曲の構造とかに詳しいわけではないので、
すごく当たり前のことを今更言ってるかも
しれませんが、自分の中では衝撃でした。

こどものころは、「まちがえずに弾く」こと
ばかり思っていて、技法も背景も
掘り下げたりすることがなかったですが、
もったいなかったなと思います。
今なら、先生に訊きたいこと、教わりたいことが
いっぱいあるなと、弾いていて思います。

弾いているうちに娘も耳になじんだようで、
「いい曲だね~」
なんて言っていました。

中学までピアノを続けたら弾けると思うよ、
と楽譜を見せましたが、

 pathetique09.jpg

1楽章の最初のページのこの小節を見て
「ぜったいむり!!」
とビビってました。
・・・たしかにちょっと、
改めて見るとこれはひくね(^^;)
1小節に何音入っているんだ・・・

もう記憶力が衰えてきているので
難しいかもしれませんが、
1楽章と3楽章も暗譜で(再び)弾けるよう
ちょくちょく練習していこうと思っているのでした。

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  テーマ:ピアノ ジャンル:音楽
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